日常お宝探検隊

30代独身理系男子が、幸福の最大化を目指して努力するけどそもそも方向性が間違ってるブログ

北インド旅行記vol.1

「人の森」、インド。
インドに行ってみよう、と思い立ち、ガイドブックを開いた自分の目の前に飛び込んできたこの言葉は、折に触れて僕に深い納得を与える事になった。

 

モンスター勇者

2017年11月。
季節外れの完全自己都合有給休暇を「モンスター社員連休」と命名し、僕はインドへ旅立つ事となった。

 

「なぜわざわざインドになんか行くの?それも一人で」

旅行に行く前、何度か受けたこの質問に対し、大体2パターンくらいの回答を用意していた。
「インドを知る男になりたかったから」
「インドに行けるか、行かないか?という選択肢があった時、行くという選択が出来る人間でありたかったから」

 

・・・という、自分としては格好良いと思われる言葉を並べてみたものの、私にその質問をしてきた人が「なるほど」と納得してくれる事はほとんどなかったように思う。
これらの言葉は、どちらも自分にとって真実だ。

だけど、一人旅という行為そのものが理解できない人(もしくはそんな事する奴は頭がおかしいのかと思われているのかもしれない人)に対し、インドに行くモチベーションの話した所で、理解を得られない事は当然の事なのかもしれなかった。

 

だけど、どうしても僕はインドに行かなければならなかった。
それはおそらく、僕の中にある「バックパッカー」としての信仰心のようなものが、その聖地を求めていたのだと思う。
あるいは、あるRPGの勇者が、魔王を倒しにいくみたいに。

 

熱に浮かされてインド

成田空港を出発しておよそ18時間後、首都ニューデリーの近郊、インディアラ・ガンジー国際空港に無事到着した。
「熱に浮かされて」といったところで、それはインドへの情熱とか、憧憬的旅情とか、そういう比喩では一切ない。

実際にはこの出発の前日、平日の会社勤務を終えた僕は突如として38℃に近い知恵熱に襲われていた。

突如とは言っても、数日前から風邪気味だったわけだが、酷くならないよう、考えられるあらゆる手段を講じ、悪化しないようケアを尽くしていたはずだった。

しかし、面白いもので、ここ2年熱など出していない僕に、考えられる限り最も「最悪」なタイミングで、それはやってきた。

 

夜、仕事から戻ってきたら、寝ないで朝3時の高速バスに乗り込む計画。

医者に行くタイミングは、ない。

 

僕はこの時ほど、「お前はどういう人間か?」と何者かに問われる事もないと感じていた。

「Are You Cool, Or A Fool?」

 

 

僕がどちらの人間なのかは、確認するまでもない事だった。

 

ただひたすら、重篤なウイルス性感染症でない事を、普段一銭の喜捨もしない神に祈るばかりの移動時間。機内食のカレーを貪り食べる。

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しかし、あまり改善しない体調とは裏腹に、空から見えた異国の景色と、空港ゲートを超えた瞬間の「インド感」に否応もなしに旅人としてのギアを上げる事になっていた。

 

 

30代のリスク・マネジメント

さて、皆さんがそれほど良くは思っていないインドの旅行事情の中で、最も注意を要する所はどこなのだろうか?


答えは、国際空港からニューデリー駅周辺の安宿街まで出るまでのインド上陸から一番初めに通過しなければならない道中である。

空港からまずデリー市内を目指すにあたり、交通手段が豊富にある。
空港バス、タクシー、メトロ。

ただし、前情報なしに目的地のニューデリー駅前の安宿街に辿り着ける旅行者は、かなり旅慣れたエキスパートだけだといっても過言ではないだろう。

なぜなら、上記交通機関のルート上すべてに、インドの洗礼が存分に待ち構えているからである。
具体的には、日本で良く聞く「嘘つきインド人」の存在だ。

彼らは、インドになれない日本人旅行者に対し、朗らかな態度で近づいてくる。
不安で哀れな我々は、現地での優しさに神に感謝し、彼らの言うままにいつの間にか高額旅行ツアーを組まれている・・・というのがインドで最も良く聞く典型的な詐欺の手口である。

さて、齢30を過ぎてしばらくの僕は、自分に対し過大な期待はしない方が良い、と常に言い聞かせている。
いくら国内で旅慣れているとはいえ、かなりの旅行者が前情報を持っているのに引っかかる典型例に、僕が引っかからない道理はないと言って構わない。

 

そこで私は、金を使い、安全を買う事にした。
具体的には、初日のホテルから空港送迎オプションを頼み(もちろん、日本語対応)、タクシーをチャーターしたのだった。

 

思ったより快適インドSIM

初日のホテルに着いた後、1万円程をルピーに両替した。

空港でももちろん両替は出来るが、レートや評判がかなり悪い(レートが1割程悪く、別に1割程のルピー札が抜かるなどの噂)。インドでの両替事情は、ホテルや両替所を頼る事が一般的だそうだ。

そして記念すべきルピーでの初買い物は、現代の旅行者よろしく、ホテル隣のケータイショップでのプリペイドSIM(Vodafone)だった。

このインドSIM、500ルピー(1ルピー≒1.8円)で28日間1GB/日の通信が出来き、チャージ内でインド国内通話も可能だという。もちろん、SIMフリースマホの準備は必須だけど、これから10日間ほど滞在するにあたって、1000円しないで自由な通信環境が手に入るなんて快適すぎる。おいおい、ホントにここはインドなのか??これがグローバライゼーションの風なのか?!

 

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・・・と思ったけど、SIM購入~アクティベーションまで半日かかると言われた。

やっぱりここは、インドだった。

 

 

インドトイレ事情

そうして、ようやく部屋に到着した時には、もうかなり限界だった。

前日までの通常勤務、突然の発熱、ほぼ不眠で韓国transfar込みの15時間のフライト、慣れないインドの空気。これで限界でないなら、会社でモンスター社員などやってはいないだろう。

 

しかし、何も考えずベッドに倒れ伏すにはまだ早い。

私にはまだ、やらなければならない事があるのだ。

 

インドのトイレで寝るハメに!? | 格安旅行情報ブログ:りり記

(トイレの写真、取り忘れましたw)

 

やらなければならない事に、具体的な説明はよもや必要ないだろう。

これも有名な事であり、かつインド旅行への大きなハードルとなってくる事ながら、インドのトイレには紙がない。代わりに、必ず(といっていいほど)あるものは、「水道」と「手桶」である。

インド式トイレ作法としては、この手桶に水を入れ、右手で持ち、左手でお尻を洗い流すシステムとなっている。

ただし、この方法を日本人旅行者がいきなり実践する事は不可能に近いと言っていい。

なぜ、そう断言できるか?詳しくは説明を省くが、

一度でもトライしてみればよい。

 

実際には、我々のような外国からの旅行者の多くは、トイレットペーパーを持参している。

ただ、これでもまだ困るのは、現地の排水状況についてだ。このトイレは、紙を流せるのか?以前、台湾では紙は近くのゴミ箱に捨てた記憶があった。

 

この判断については、以下の基準がとても参考になる。

①  トイレットペーパーがある&近くにゴミ箱がある⇒ゴミ箱に捨てる。

②  トイレットペーパーがある&近くにゴミ箱がない⇒流せる。

 

これ、絶対テストに出るから覚えておくように!ただし、多量の紙で容易に詰まるらしいので油断はできない。

ちなみに、僕の初日のホテルのトイレはゴミ箱は便器から1m以上離れた洗面記の下に置いてあったわけだが、どのような忖度をしたかはご想像にお任せしたいと思う。

ちなみに、以降のインド旅行においては、②のケースがほとんどだったので、考えていた程トイレで困る事はなかったといえる。

 

いくぶんかの混乱はあったものの、インド初日の夜はこうして過ぎていったのだった。