小笠原諸島(父島)旅行記vol.1
ブログの操作もままならないまま記事を書いているため唐突になりますが、僕の趣味コマンドのひとつに「一人旅」というものがあります。
就職してからというもの、何かと理由をつけては全国を放浪し、ついには全都道府県を踏破してしまった始末です。
(就職してから、個人的に目標にしていた事でしたw)
そもそも一人でいくしか選択肢がないから必然的に「一人旅」が趣味なのであって・・・いやいや、皆まで言うまい。
とにかく、直近で行ってきた旅行記でも書いてみようと思った次第、是非読んでいってくだされば幸いです。
「じゃあ、小笠原に行けばいいじゃない」
2016年も終わりに近づいたある師走の日、会社の社員食堂でいつもの定食を一緒に食べていた上司が、こんな事を僕に言ってきた。
当然、なんの脈絡もなく上司がこんな事を部下にアドバイスするわけはない。
事の始まりは、僕がなんの予定もない年末休暇の未来を嘆いていた事からだった。
年内の仕事の予定に早々に見切りをつけ、さっさとと有給休暇を申請していた僕だったが、肝心の予定は休み開始の2週間前になっても一向に定まる気配を見せなかった。
「なんて事だ!直前の海外旅行は高すぎるし、国内旅行で沖縄とかもっと高いじゃん!いつも思ってる事なのに、いつも通り何も決めてねええエエぇえ!!!」
・・・と、贅沢すぎる愚痴を言う僕に対し、迷わず上司が上記のアドバイスをしてきたのだ。
「いつか行ってみたいけど、家族がいると中々思うように行けない場所だよ。俺も定年した後の楽しみとしていつか行ければと思ってるんだ」と上司。
「なるほど!」と僕。
次の日には、小笠原行きの予約各種を済ませていました。
小笠原に空港なし。
なんの知識もなく予約した小笠原諸島への交通手段。
おがさわら丸。
フェリー。
片道24時間。
ええええええ。。。
そう、小笠原諸島は、「東京都」でありながら本州から外洋に向け1000km離れた飛行場もない、交通手段はフェリーのみという場所だったのです!!!(常識でしたでしょうか;)
今でこそ僕は全都道府県制覇してます!とか言っていますが、地理は大の苦手。常識がない事この上ない、(自分の意志で)行った事のある所しか覚えないという怠惰な人間なのです(胸を張るところではない)。
今回の旅行で、小笠原諸島の位置関係は新しく覚えました(笑)
ちなみに予約したのは「おがまるパック」という、往復のフェリーチケットと宿(3泊分)がセットで割引になるプランでした。
小笠原行きのフェリーは一隻のみ。
これも行き方を調べてびっくりした事なんですが、小笠原海運さんで運行しているフェリーは一隻だけなんですね。なので、24時間かけて東京~父島に到着。その後3日そのまま停泊して、また24時間かけて東京に帰る(これを、一航海分というらしいです)。
そんなワケで、約1週間に1回しか船の出る日がないという。。。なんというプレミア感w
ちなみに、出発の港はJR浜松町駅から徒歩5分ほどの距離にある竹芝港。意外と都心に程近い所から出ているもんなんですねー。
フェリーでの過ごし方~18時間は寝てました~
24時間もの航海は流石に初めての経験でした。何してればいいんだろう?と、PCに電子書籍を入れたり色々事前に対策してましたが、タイトルの通りほとんど寝て過ごしました。
私はエコノミーの2等寝室だったのですが、まあドミトリーというかカプセルホテルというか、ほとんどの時間をそこで過ごしていました。
ばっちり、時化に当たって猛烈に船酔いしてましたので。
悪い事言わないので、酔い止めは用意していった方がいい。
ただ、フェリー自体は2016年5月に新造・大型化していたらしいので、揺れに関してはその日は特にヒドかっただけのようでしたが。
やっと父島到着
東京を出発して約24時間。その日は予定より50分程遅れたようですが、やっと無事小笠原諸島で最も人口の多い「父島」に到着しました。
島民の皆さんの熱烈な歓迎をよそに、 僕はさっさと今回の旅の足となる50cc原付を借りに町に出た。絶海の離れ小島である父島の港町に自然とテンションが上がっていく。
借りた原付、これが凄く安い。
僕は自分でも250ccのバイクを所有していて、便利な旅のアイテムとして日ごろからお世話になっている。しかし、どうしてもmyバイクで行かなきゃ気が済まない、という程誇り高い旅ライダーというわけでもない。
だから、日本各地いろんな所でレンタルバイクを借りる事が多いのだが、大体50cc原付の相場は1日3000円程度(レンタル日数にもよるけど)のところ、これは72時間3500円という破格の安さ。
1日1200円弱で借りていられるなら、ツアーに参加して使わない日があっても悔いは残らないだろう。
レンタルサイクル・水中用品 イルカと海にやさしいパパヤマリンスポーツ小笠原村父島役場隣り
観光しつつ、原付で一周2時間弱というコンパクトさ。
原付を駆り、宿に一旦荷物を預けた後は、とりあえず車道に沿ってトコトコと原付で島を一周してみた。
小笠原は、先の大戦で旧日本陸軍に軍事施設化、戦場となってきた経緯から、今も各所至る所にその戦跡が確認できる。
今はそれを観光資源としてPRしてはいるものの、観光地化が進みづらい位置関係にあってか、潮風に朽ちた戦跡は今も生々しさを残している。
充分とはいえないまでも、島の何となくの位置関係を把握した後、僕はこれから3日間お世話になる宿に戻った。
小笠原大自然感
先ほど紹介した通り、今回僕は宿を割引パックで予約していました。
外観の写真を撮り忘れていたが、父島で最も栄えた港町から約5kmほど離れた扇浦にある、ゲストハウス・ロックウェルズさんに厄介になっていました。
ビーチから徒歩0分。
島国ではマイナーな海無し県・栃木に住むものからしたら、鼻血が出そうなロケーションです。。
ゲストハウスというものの、個室の窓からは本当に目の前に砂浜が飛び込んでくるという素晴らしい環境。そして宿のスタッフさんの手料理が本当に美味しくてびっくりした。。。
※この日は、12/24でした。何故、チキンが出ているのかは、推して知るべし粋な計らいです。
パックで予約した料金内には、朝・夕2食が含まれていたため、それからの島内での食生活はかなり充実したものとなった。
また、食事の際は、宿に以前から宿泊していたらしい別のお客さん達と一緒になった(僕の他に5人の宿泊客が居た)。
ゲストハウスに泊まっている観光客というのは国内外を問わず中々の一人旅エキスパートである可能性が経験上高い。
ここで知り合った人と一緒に行動する事もあれば、さまざまな有益な観光情報を教えてくれることも多々ある。このため、そこでのコミュニケーションは非常に重要なものである。
しかし、長期休暇で悠々旅行に来ている僕以外の全員は、純然たる仕事で宿に泊まっている出張者たちであった。
Oh,my goodness...
このピンチを一体どうやってくぐり抜ければ・・・?!
・・・と、一瞬思いましたが、持ち前の空気の読まなさでガンガン仲良くなりに行ってみました(笑)
聞いてみると、彼らは国から仕事の委託を受けた環境測定系の職務に従事されているとの事、割合楽しんで小笠原に滞在しているとの事でした。
それだけでなく、中々のネイチャー好きが揃っているらしく、色々な面白い話を聞かせてくれました。
一緒に酒を飲みながら、小笠原の生態系やら観光名所の話を聞く。
そんな風に初日の夜が更けていく・・・と思いきや。
「あ、今日は星綺麗そうすね。今から車でちょっと皆で星見に行きませんか?」との素面のメンバーからのお誘い。
いやいや~マジすか!
とか言いながら、楽しそうだからと宿から車で10分程にある街灯の少ない夜のビーチへとついていきました。
その結果が・・・
目を疑うような、まさしく「零れ落ちそうな程の星空」でした。
今まで、色々な場所に行って、色々な星空を見てきました。
その何処よりも暗闇が透き通ったような淡い光の集合体。
僕はこの時、思いました。
まだほとんど何もしていないけれども。
小笠原に来て正解だったな、と。
続きます。